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新聞記事を嘆く(6) 断定の助動詞「だ」

 まえがきについては、「新聞記事を嘆く(1)」をお読みください。

 このたび取り上げるのは「きょうの番組から」と題するテレビ番組の解説記事で、その一節をそのまま引用すれば下記のようになります。問題があるのは下線部分です。
 <結納が214日なことから佳織にバレンタインデーの思い出を聞かれた依子は、今まで一度もチョコを渡したことがないと答える>
 この下線部は、理由を述べる節で「聞かれた」を修飾しています。これが不自然に感じられるのは、「な」であり、これは断定の助動詞「だ」の連体形です。手元の文法書(日栄社「簡明口語文法」(1956))によれば、『「だ」の連体形「な」は、体言には続かず、助詞「の」・「ので」・「のに」に連なるだけである』となっています。すなわち、上記の記事では「な」が形式名詞「こと」に連なっているので不自然に感じるのです。事実、インターネットで調べても、この記事のような月日や「今日」「明日」のようなことばに「なこと」が付く用例はありません。
 それでは、この記事はどういうふうに書き改めればよいのでしょうか?一つの案は「結納が2月14日であることから」ですが、「結納が2月14日である」という言い方はことば足らずの感じがします。したがって、「結納が2月14日に行われることから」に改めることを提案します。
 筆者は「これが不自然に感じられる」と言いましたが、実際にはこの言い方は間違いだったのです。新聞記者がこのような誤った文を書くことは許されません。新聞社の校閲部門はいったい何をしていたのでしょうか?「教育に新聞を!」というキャンペーンが張られていますが、学生がこのような表現を真似してもよいのでしょうか?
 
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