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andについて

 英語のandは、意味も使い方も簡単そうに見える単語ですが、英文中で重要な役割を果たしています。また、これに相当する日本語は数種類あり、使い分けが必要です。
(1) andの役割
andは複数の名詞(または名詞句、以下まとめて名詞句とする)を羅列するときに用います。名詞句が2個の場合、たとえばA and Bとなり、3個の場合A, B and Cとなります。ここで重要なのは、名詞句を何個羅列するかにかかわらず、最後の名詞句の直前にandを付けることです。すなわちandは、これが最後の名詞句だということを表明する役割をもっているのです。
英語の名詞句には、ある基準となる名詞の前に形容詞が付き、後に前置詞句や関係代名詞が付くような非常に複雑な構造のものがあります。また一つの名詞句にandが含まれる場合もあります。これらの複雑な名詞句が多数羅列されていると、読者はどれどれが、一つの名詞句としてのかたまりなのか判断に苦しむことでしょう。このかたまりを認識させるのが、最後の名詞句の直前のandなのです。新聞、雑誌、カタログ、インターネット等に掲載されている英文は、最後の名詞句の直前にandを配置するというこの規則を必ず守っています。andの代わりにコンマを用いると、文が理解しにくくなることをよく認識しているからです。
(2) andに対応する日本語
andに対応する日本語は基本的に「および」、「と」、「そして」および「ならびに」の四つです。その使い分けはつぎのとおりです。
1)「および」
名詞句を羅列する場合、andは基本的に「および」と訳します。日本語では、名詞句をいくつ羅列しても、読点だけですましてしまうことが多いのですが、英日翻訳の場合、英語のandの利点を取り入れて、andを基本的に「および」と訳すようにしています。また、逆に日英翻訳用の原稿についても、最後の名詞句の直前に「および」が配置されていれば、不適切な訳になる可能性を少なくすることができます。
2)「と」
名詞句を二つ並べる場合で、かつandを「および」と訳すと日本語として修飾関係があいまいになる場合、「AとBと」のように「と」を2回使います。この2回使う点が極めて重要です。たとえば、「軸および軸受の破片が返送されてきた」という文について考えてみましょう。この文は「軸の破片および軸受の破片が返送されてきた」とも「軸全体および軸受の破片が返送されてきた」とも解釈できます。元の文に「と」を二つ書き加えてみましょう。「軸と軸受との破片が返送されてきた」が前者の意味になり、「軸と軸受の破片とが返送されてきた」が後者の意味になります。日本語の原稿についてもこの「と」が適切に使用されていれば、誤訳の可能性が減ります。
3)「そして」
名詞句ではなく、動詞句を羅列する場合、「そして」とします。例を挙げれば、「制御盤の前面扉を開けて、メインスイッチを入れ、前面扉を閉じ、そして速度指示計を150 rpmに合わせます」となります。この場合、「制御盤の前面扉を開けて、メインスイッチを入れ、前面扉を閉じ、および速度指示計を150 rpmに合わせます」というと不自然に聞こえることがお分かりいただけるでしょう。
4)「ならびに」
andを含むひとかたまりの語句が複数羅列されている場合、最後のひとかたまりの語句の直前に「ならびに」を入れます。これは英語では“A and B, C and D, E and F, and G and H”の形になります。この下線を引いたandを「ならびに」と訳します。英語にはas well asという表現がありますが、これも「ならびに」と訳します。as well asもandを含む語句が複数羅列されている場合に使われます。
(3) 補足
上で少し触れましたように英語の場合、基準となる名詞の前にも後にも修飾語を配置することができますが、日本語の場合、修飾語がすべて名詞の前にくるので、複雑な名詞句は英語と比較して修飾関係を把握しにくいという問題があります。したがって、日本語では少なくとも最後の名詞句の直前に「および」を配置し、さらに一つの名詞句の内部でも修飾関係があいまいにならないよう注意しながら文を作る必要があります。
 

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