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新聞記事を嘆く(30) 連用修飾句+連体修飾句

まえがきについては、「新聞記事を嘆く(1)」をお読みください。
 このたび取り上げるのは、「きょうの番組から」の中の映画「昼顔」の解説記事で、本文をそのまま引用すれば下記のようになる。
 <不倫カップルの再会と2人を待ち受ける運命を描く。夫がいながら妻がいる男性と不倫をし、夫と離婚した女性>(下線は筆者による)
 「夫がいながら」は連用修飾句なので、読者はまずこれが「妻がいる」の動詞「いる」を修飾していると考えるが、「夫がいながら妻がいる男性」まで読み進めてから、「夫がいる男性」は意味上ありえないことに気付く。さらに読み進めれば、「夫がいながら」は、動詞句「不倫をする」を修飾しており、「男性と不倫をし」と「夫と離婚した」とが「女性」を修飾していることが分かる。読者の脳には、文の一句一句が情報として逐次入力され、意味を理解していくが、この記事のように途中まで読み進めた段階で、誤った理解をさせるような文は悪文である。
 この文を改めるためには、「夫がいながら」が「不倫をした」を修飾していることを明確にしなければならない。そのためには、少なくとも「夫がいながら」のうしろに読点(、)を入れる必要がある。すなわち「夫がいながら、妻がいる男性と不倫をし、夫と離婚した女性」となる。もう少し意味をはっきりさせたいなら、「夫がいるにもかかわらず、妻がいる男性と不倫をし、夫と離婚した女性」としてもよい。
 ところで、「夫がいながら」が「不倫をし」を修飾しているとしても、「夫と離婚」するためには「夫がいる」ことが前提となるので、「夫がいながら」は不要であり、また「女性が離婚する対象者」は「夫」しかありえないので「夫と」も不要である。さらに、一般的に「不倫する」とは「結婚しているある男性又は女性が、別の結婚している異性と関係をもつ」ことと理解されるので、このことからも「夫がいながら」も「夫と」も不要で、下線部は単に「妻がいる男性と不倫をし、離婚した女性」とすれば十分である。
 
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