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新聞記事を嘆く(3) 名詞の形容動詞化

 まえがきについては、「新聞記事を嘆く(1)」をお読みください。
 今回は「社説 余滴 1914年が映す東アジア」と題する記事で、主要部分をそのまま引用すれば下記のようになります。
 <やはり欧州で話題の本「夢遊病者たち」で・・・が描く開戦当時の状況は、・・・>
  これを読まれたみなさんは、「一体この文のどこに問題があるのだ?」という疑問をお持ちになることでしょう。ここで問題があるのは「欧州で話題の本」の個所です。このような表現は、どこででもみかけるではないか、と言うのが皆さんの率直な感想かもしれません。たしかにそうなのですが、「教育に新聞を」を合い言葉に掲げる新聞の記事だから問題にしているのです。
  すなわち、「欧州で」が連用修飾語なのに名詞を修飾していることが問題であり、「欧州で話題になっている本」が正しい表現です。
  これは名詞の形容動詞化の一種で、その代表的な例が「人気だ」です。この言い方は、新聞・雑誌類では頻繁に使われており、一般の読者は特に不自然さを感じてはいないと思われます。しかし、日本語教育という観点からすれば、少なくともこの表現には問題点があることを生徒に教えるべきではないでしょうか?
  前回も述べたように「教育に新聞を!」というキャンペーンの意味は、「新聞記事から悪文を探し出してどうすれば良い文になるか検討しよう!」であって、この記事は国語の教師のかっこうの題材になると言わなくてはなりません。
  この新聞記事のコピーを見たい方は、ここをクリックしてください。問題のある個所は、第三段の右から7行目です。

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