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新聞記事を嘆く(23) 連用修飾語

まえがきについては、「新聞記事を嘆く(1)」をお読みください。
 このたび取り上げるのは、「関電 原発の採算見極め」と題する記事で、その本文をそのまま引用すれば下記のようになる。
 <経営陣の1人も「個人的には無理して再稼働させず、廃炉の方向に持っていく方がよい」と話した>(下線は筆者による)
 この記事の下線部の「個人的には」は、連用修飾語なのでそのうしろに来る用言(動詞、形容詞及び形容動詞)にかかる。用言としては、「再稼働させる」、「持っていく」及び「よい」がある。「個人的には」の副助詞「は」は、強調の役目をしているだけなので、これを外しても修飾関係に影響はない。そこでこれらを「個人的に」と結び付けてみると、「個人的に再稼働させる」、「個人的に持っていく」及び「個人的によい」となるが、どれも不適切な表現である。この「  」内は、経営陣の1人の個人的な考えを表明したものなので、「個人的には」の被修飾語として、たとえば「思う」が抜けていると考えられる。下線部分に「思う」を加えると、「個人的には無理して再稼働させず、廃炉の方向に持っていく方がよいと思う」となり、違和感のない表現になる。
 読者はこの記事を読んでどう感じただろうか?この記事の論点は「大飯原発を再稼働するべきか、廃炉にするべきか」にあるので、文の表現に一瞬違和感をもちながら、次へと読み進めた読者が大部分であったろうと思う。ただ、毎回述べているように「教育に新聞を」というキャンペーンを張っている以上、このようなことばの抜けがある文はまずいのではなかろうか?やや皮肉になるかもしれないが、国語の教師であれば、この記事を連用修飾についての教材として活用するかもしれない。
 
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